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相続登記・財産の名義変更
遺産分割協議により相続財産の分配を確定し、作成した遺産分割協議書の内容に従って相続財産の名義変更の手続きを行っていきます。このうち不動産の名義変更手続きのことを「相続登記」といいます。この名義変更手続きは、いつまでにしなければならないという決まりはありません。しかし、相続人名義に変更しないと相続人が取得した不動産を売却したり、その不動産を担保に金融機関から借入れをすることも不可能となります。後々のトラブルを防ぐためにも遺産分割協議が確定したらなるべく早めに相続財産の名義変更を行うようにして下さい。以下、「不動産の名義変更手続き」、「預貯金の名義変更手続き」、「株式の名義変更手続き」、「生命保険金の請求」「その他財産の手続き」について説明いたします。
(1)相続登記(不動産の名義変更手続き)
1.登記の種類 相続登記は次の3つに分けることができます。
- ①遺言による相続登記
- 遺言書がある場合、原則としてその遺言の記載に従って登記を行います。
自筆証書遺言と秘密証書遺言については、家庭裁判所での検印の手続きが必要になりますので勝手に開封することはできません。
- ②遺産分割協議による相続登記
- 遺言書がない場合には通常、遺産分割協議の内容に基づいて登記を行います。
- ③法定相続分による相続登記
- 遺産分割協議が不成立の場合など、遺産が未分割の場合には、法定相続分で登記を行います。
2.登記費用
相続による所有権移転登記 → 不動産の固定資産税評価額の4/1000となります。
ただし遺贈による所有権移転登記については、同20/1000となります。
またこの他に、司法書士の報酬などがかかります。
3.添付書類等
遺言書
遺言による相続登記の場合。
遺産分割協議書
遺産分割協議による場合。
被相続人の
死亡の記載のある戸籍謄本または除籍謄本・・・・・遺言による場合。
出生から死亡までの戸籍・除籍・原戸籍謄本・・・・遺言以外の場合。
住民票の除票または戸籍附票
相続人の
戸籍謄・抄本・・・相続人全員分。ただし、遺言の場合は実際に不動産を取得する者のみ。
住民票・・・実際に不動産を取得する者のみ。ただし、法定相続分による登記の場合には全員分
印鑑証明書・・・遺産分割協議による場合のみ必要。相続人全員分。
固定資産税評価証明書
司法書士への委任状(捺印は認印で構いません。)
(2)預貯金の名義変更手続き
銀行は、預金者が死亡した事を知った場合、預金の支払を凍結します。相続が開始すると、亡くなった人の財産は相続人の共有となります。遺産分割が確定するまでは、一部の相続人が勝手に預金を引き出して他の相続人の権利を侵害することを防止するために、預金の引き出しを凍結するわけです。預金の名義変更や引出しをするためには以下の書類を銀行に提出します。
- 金融機関所定の払戻請求書(引出しをする場合。)
- 金融機関所定の死亡届出書
- 被相続人の預金通帳と銀行届出印
- 相続人全員の印鑑証明書
- 被相続人の戸籍謄本及び相続人の戸籍謄本
- 遺産分割協議書(相続人全員が実印で押印。~遺産分割協議による場合。)
この他、遺言による場合には遺言書の写しなどが必要となります。金融機関で必要書類が異なる場合があるので、実際に問い合わせてみることをお勧めいたします。
(3)株式の名義変更手続き
上場株式・非上場株式によって手続きが異なります。
1.上場株式の場合
証券取引所を介しての株式については、まず、証券会社の取引口座の名義を変更します。次に、所有株式の株主名簿の名義変更をします。つまり二つの手続が必要になります。
- ①取引口座の名義変更
- 証券会社は、その顧客ごとに取引口座を開設しています。相続があった場合には、まず、被相続人の取引口座の名義を変更する必要があります。以下の書類を証券会社に提出して名義変更をします。
- 取引口座引継ぎの念書(証券会社の所定用紙)
- 相続人全員の同意書(証券会社の所定用紙)
- 相続人全員の印鑑証明書
- 被相続人の戸籍謄本及び相続人の戸籍謄本
- 源泉分離課税または申告分離課税に関する死亡届出書
なお、取引口座を引き継ぐ相続人は、新たに株式取引を始めることになりますので、改めて所定の書類を提出することとなります。
- 2.非上場会社の手続き
- 各会社によって手続きが異なるので、直接問い合わせて必要書類をそろえましょう。
(4)生命保険金の請求
保険金の受取人に指定されている者が、保険会社に支払いの請求を行います。以下の書類を保険会社に提出することとなります。保険会社によって必要書類が異なる場合があるので、実際に問い合わせてみることをお勧めいたします。
- 保険金請求書(保険会社の所定用紙)
- 保険証券
- 死亡診断書
- 被相続人の住民票及び戸籍謄本
- 保険金受取人の印鑑証明書
(5)その他財産の名義変更手続き
- 1.死亡退職金の請求
- 被相続人が勤めていた勤務先に退職金制度がある場合には、その勤務先に死亡退職金の支払請求をしましょう。請求書の用紙や必要書類は会社ごとに異なる場合があるため実際に問い合わせてみることをお勧めいたします。
- 2.自動車
- 陸運局に問い合わせて必要書類を確認し、名義変更の手続きを行ってください。
- 3.電話加入権
- 契約している電話会社に問い合わせ、名義変更の手続きを行ってください。
- 4.ゴルフ会員権
- 一般的な預託会員制のゴルフ会員権については、死亡した場合は会員権の資格が無くなるというように会則などに書いてある場合は、相続の対象とはなりません。このような定めが無い場合は、相続人は会則に定められている手続きを行い継承することができます。