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相続対策

相続対策としては、相続税の節税、納税資金の確保などといった側面あります。代表的なものに下記のものがあります。

(1)相続税の節税について

1.連年贈与の利用

贈与税の基礎控除額(110万円)を利用して各法定相続人に贈与していくことで、相続財産の価格を減らすことが可能となります。ただし注意点として

  • 相続開始前3年間の贈与については、相続財産に取込まれてしまう。
  • 毎年贈与契約を結び贈与契約書を作成する。
  • 毎年の贈与日・贈与金額を変える。
  • 現金を贈与する場合、贈与者の口座から受贈者の口座に振込み記録を残すようにする。
  • 通帳や預金証書を受贈者本人が保管し、届出印も贈与者のものと別にして本人が保管する。

などといった対策が必要となります。例えば毎年規則的に110万円を贈与していった場合に、当初から1100万円を贈与する意図があったとみなされることがあるので注意が必要となります。また、ある程度の贈与税を負担してでも、積極的に生前贈与をしたほうが良い場合もあります。

2.贈与税の配偶者控除の利用

婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、贈与税の基礎控除110万円のほかに最高2千万円まで控除できる(贈与税が無税になる。)という特例があります。ただし、贈与を受けた年の翌年3月15日までに、取得した国内の居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであることや、今までにこの特例の適用を受けたことがないこと、などといった条件があります。通常の贈与の場合には上記1のとおり、相続開始前3年間の贈与については、みなし相続財産として相続財産に取込まれてしまいますが、この配偶者控除の適用を受けた贈与については、その扱いはありません。非常に有効な方法といえます。

3.住宅取得資金の贈与について

時限的ではありますが、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に、20歳以上の者がその直系尊属(父母、祖父母など)から受ける住宅取得等のための金銭の贈与については、その期間を通じて500万円まで贈与税を課さないこととなりました。

4.小規模宅地の評価減の特例

「財産評価について」の中でも述べましたが小規模宅地については一定の面積まで、相続財産の評価額を最大で80%引き下げることが可能となります。

5.土地を更地でなく他人に賃貸する(貸宅地)

土地を他人に賃貸した場合には、「貸宅地」として借地権の価額が控除されます。更地価格の3割から4割程度が土地(底地)の評価額となります。ただし、以下の点を考慮して判断する必要があります。

メリット
評価額を引き下げられる。地代収入が得られる。
デメリット
借地権が発生する。借地人の権利は非常に強いので、将来土地の売却や賃貸借契約の解除をする際にトラブルとなる可能性がある。

6.土地の上にアパートを建築する

土地の上にアパートを建築し、他人に賃貸した場合には「貸家建付地」として土地の評価額を引き下げることができ、アパートについても「貸家」として評価額を引き下げることが可能となります。この場合のメリット・デメリットは次のとおりです。

メリット
土地の評価額が更地価格の3割から4割に、家屋の評価が7割程度に引き下げられる。賃借人には借地権は発生しないため、土地の処分に比較的手間取らない。建設のための借入金が債務控除の対象となる。など。
デメリット
入居者が埋まらないと、相続対策どころではなくなってしまう。

7.養子縁組の利用

法定相続人が1名増えるごとに基礎控除額が1千万円増加します。例えば養子縁組によって孫を被相続人の養子にするといった方法が考えられます。ただし、実際に養子に財産を相続させなかった場合や相続直前に養子縁組した場合など、相続税を不当に減少させるという扱いがなされる場合があるので注意が必要です。

8.会社を設立する

個人で事業を営んでいる場合において所得を多く出している場合には、個人の財産が増加し結果的に相続財産の増加につながります。会社形態にすることで個人と会社に所得を分散させることができます。会社形態にすることで、個人事業の時よりも税制上の優遇を受けることも可能となります。更に会社については、社長個人が所有する「株式」としての評価となります。
後継者に株式の贈与をすることは事業承継の対策としても有効です。

(2)納税資金の確保について

納税資金の対策として、生命保険を利用する方法があります。

1.非課税限度額の利用

生命保険は、人の死亡という不測の事態が生じた場合に、その損失を補償するためのものです。被相続人が生命保険に加入し、受取人を相続人としておけば、保険金が支払われることで納税資金の確保につながりますし、非課税限度額を利用することによって相続財産の価額を引き下げることができ、相続税の税額を引き下げることが可能となります。

2.保険料を贈与して、生命保険を所得税・住民税の対象とする

被相続人を被保険者とし、保険料の支払人と保険金受取人を相続人とする生命保険に加入した場合、相続が発生すると相続税の対象とはならずに「所得税・住民税」の対象となります。(一時所得に該当します。)一時所得は50万円を控除した上で1/2したものを他の所得と合算する仕組みとなります。相続財産の規模が大きい場合には、被相続人から相続人へ毎年金銭の贈与を行い、相続人の預金口座から保険料を引き落とすかたちをとり、所得税の課税を受けてその残余を納税資金に充てたほうが有利な場合があります。ただし、上記「連年贈与の利用」と同様の手順を踏む必要があるので注意が必要です。



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