相続税では財産を取得した人の個別的な事情を考慮し、各種の税額控除を設けて税負担の軽減を図っています。算出した税額から次の順序に従って、当てはまる税額控除を適用していきます。
贈与税額控除とは、贈与税と相続税の二重課税を防止するためのものです。相続開始前3年以内の贈与財産は、相続税の対象として課税価格に加算されますが、既に納付している贈与税を相続税から控除することができます。
生前贈与加算の対象となった財産を取得した年分の贈与税額 × (課税価格に加算された贈与財産の価額 ÷ その年分の贈与財産の価額の合計額)
被相続人の配偶者については、その「内助の功」や「老後の保障」といった観点から大幅な税額の軽減措置がなされています。それは、
① 配偶者が相続する割合が法定相続分以下の場合は、財産の取得額がどんなに多くても相続税はかからない。
② 配偶者が法定相続分を超えて相続しても、配偶者の相続財産が1億6千万円以下の場合は相続税がかからない。
というように、配偶者については相続税の心配があまりないように配慮されています。 ただしこの制度を利用するためには、原則として期限内(10ヶ月以内)に遺産分割協議を完了させ、相続税の申告と納付を済ませておかなければなりませんので十分ご注意ください。
相続人が未成年者の場合には、その未成年者が20歳に達するまでの年数1年につき、6万円が控除されます。この場合、相続開始時の年齢が1年未満の端数は1年として計算します。
未成年者控除額=6万円×(20歳―相続開始時の年齢)
相続人が障害者の場合にも、税制上の配慮がなされています。障害の程度に応じ次のとおりです。
短期間に相続が複数回発生すると、相続税の負担は極めて重くのしかかることとなります。そこで10年以内に2回以上の相続が続いたときは、前回の相続にかかった相続税の一定割合を、今回の相続税額から控除することができます。
被相続人が海外に財産を所有しておりそれを相続した場合、
国外財産についても相続税の課税の対象となります。この場合に、外国においても日本の相続税にあたる税が課されることがあります。そこで二重課税を排除するため、日本の相続税から一定額を控除することができます。
相続時精算課税を適用した人に対する、相続時精算課税を適用した財産について課税された贈与税がある場合には、その相続人の相続税額から課税された贈与税を控除することができます。
この場合に、控除しきれない金額がある場合には還付を受けることができます