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相続のトラブル

相続のトラブルについてはさまざまなケースが考えられます。


(例1)父の形見の高価な腕時計を弟が勝手に持っていってしまった場合

形見分けというのは夫婦や親子などの情愛から被相続人が使っていたものを記念に分けることであり、高価なものは形見分けの対象とはなりません。よって、被相続人が持っていた宝石・装身具・高価な衣類などもすべて相続人の共同所有になります。仮に相続人が兄と弟の2人のみで腕時計についての遺言がなかったのであれば、腕時計の所有権は兄と弟がそれぞれ2分の1ずつの割合で持っていることになります。ですから、最低でも、兄は弟に対して、自分の相続分の2分の1にあたる50万円を弟からもらう権利(相続回復の請求権)があります。弟が話し合いに応じないのであれば、遺産分割の調停または審判の申立てをしたり、相続回復請求の訴えを提起することができます。ただし、この相続回復請求権は、原則として相続権を侵害された事実を知ったときから5年または相続開始から20年で消滅してしまいますので、注意が必要です。


(例2)借金が多いと騙されて相続放棄の手続をしてしまった場合

借金が多いような場合は相続放棄をすれば、借金の負担を負わないで済みますが、相続放棄をするには相続開始があったことを知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません。一度、放棄をするとたとえ3ヶ月の期間内であっても、原則的に撤回することはできません。しかし詐欺・強迫にあった場合や未成年者が法定代理人の同意を得ないでした場合など一定の場合には放棄の取消しが認められています。この放棄の取消し期間は追認することができるとき(詐欺にあった場合では、騙されているのに気づいたとき)から6ヶ月以内または放棄のときから10年以内にしないと消滅してしまいます。



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