相続対策.ねっとは相続の専門家・専門会社が相続手続きなどの相続相談や相続税・資産活用等の相続対策のお手伝いをさせて頂くネットワークです。


  1. トップページ
  2. 相続税

相続税

(1)相続税とは

相続税とは人が死亡することを原因として、一定額以上の財産を譲り受ける人(相続人といいます。)に対して課される税金のことをいいます。税金には大きく分けて3つの種類があります。「所得」に対して課されるもの(所得税など)、「消費」に対して課されるもの(消費税など)、「資産」に対して課されるもの(固定資産税など)があります。相続税には死亡時にその人の一生の税を清算することにより生存中の所得税の不足分を清算するという機能と、国が税として徴収し社会に還元する「富の再分配」という機能があります。また、一種の不労所得(働かないで得た所得)に対する税金のため、相続税は最高50%の高い税率で課されます。


(2)相続税のかかる財産

相続財産として相続税の課税の対象となるものは、次のものが挙げられます。

1.プラスの財産(本来の相続財産)

  • 土地(田、畑、宅地、山林、その他の土地)
  • 土地の上に存する権利(借地権、地上権、耕作権など)
  • 家屋(自用の家屋や貸家、工場、倉庫、門、塀、庭園設備など)
  • 構築物(駐車場、養魚池、広告塔など)
  • 事業用・農業用財産(機械装置・器具備品などの減価償却資産、商品・製品・農産物当の棚卸資産、売掛金等の営業上の債権、営業権などのその他の財産)
  • 有価証券(株式、出資、公社債、受益証券など)
  • 預貯金等(現金、各種預金、金銭信託)
  • 家庭用財産(家具、什器備品、電話加入権、書画骨董、宝石など)
  • その他の財産(立木、マイカー、特許権、著作権、貸付金、未収金、ゴルフ会員権など)

2.みなし相続財産

亡くなった人(被相続人)が所有していた財産以外のものにも相続税が課される場合があります。いくつか具体例をあげます。

  • 生命保険金(被相続人の死亡によって支払われる生命保険金や共済金で、被相続人が保険料を負担していたもの)
  • 死亡退職金(被相続人が受け取るべき退職手当金で、死亡後に遺族に支払われたもの)
  • 生命保険契約に関する権利(被相続人が保険料を負担していた生命保険金契約で、相続時にまだ保険事故が発生していないもの)
  • 被相続人の死亡前3年間に贈与された財産

3.マイナスの財産(債務)

被相続人に債務があれば、相続の放棄をしない限りは相続人が負担しなければなりません。そこで、債務は相続財産から差し引くこととされています。これを「債務控除」といいます。債務控除の対象となるものは次のとおりです。

①債務
住宅ローンなどの借入金、クレジットローンなどの各種未払い債務、事業上の買掛金・未払金等、未払の医療費・入院費用などが該当します。ただし、非課税とされる財産の未払債務は除かれます。
②未払税金
死亡した年分の所得税、納期限が未到来の死亡年分の固定資産税・住民税などの各種税金が該当します。
③葬式費用
葬式費用は「債務」ではありませんが、相続財産から控除することができます。ただし、香典返しの費用、墓地や仏具などの購入費用、初七日・四十九日の法要に要する費用などは葬式費用には含まれませんのでご注意ください。

(3)相続税のかからない財産

社会政策的な配慮等から、一定の財産については相続税が非課税となります。代表的なものをいくつか列挙します。

①墓石、墓地、仏壇、神棚、祭具など。
②国や地方公共団体、公益法人などに寄附した場合の寄附財産。
③香典、花輪代、弔慰金(業務上の死亡は賞与を除いた普通給与の3年分まで、その他の死亡は6ヶ月までの金額)
④心身障害者扶養共済制度に基づく給付金の受益権
⑤相続人の取得した生命保険金等で法定相続人1人当たり5百万円で計算した金額
⑥相続人の取得した死亡退職金で法定相続人1人当たり5百万円で計算した金額
⑦特定公益信託の信託財産とするために支出した金銭(申告期限までに)
⑧一定の要件に該当する公益事業者が取得した公益事業用財産

(4)贈与税について

1.贈与税とはこんな税金

上記(1)で、人が死亡することを原因として財産を譲り受ける人に対して相続税が課されることを説明いたしました。それでは将来の相続税の課税を回避するため被相続人が生前中に、財産を他人にタダであげた(贈与した)場合にはどう扱われるのでしょうか。この場合には、「贈与税」という税金が財産を譲り受けた人(受贈者といいます)に対して課されることとなります。つまり、相続税が課税できない分を贈与税によって補おうというものであり、贈与税は相続税を補完する税であるといえます。贈与税も「不労所得」に対するものであるため、最高50%の高い税率ですが、相続税よりも低い金額から課されてしまいます。相続税を回避する手段として「贈与」を用いることはかなり制限されることになります。

2.みなし贈与財産について

贈与税のかかる財産は、相続税のかかる財産と基本的に同じとなります。しかし実際に贈与をした又は贈与を受けたと思っていなくとも、贈与税が課される場合があります。これを「みなし相続財産」といいます。形式上は贈与ではないのですが、税法が贈与をしたとみなして課税するわけです。次のようなものが該当します。

①低額譲り受けについて

時価よりも著しく低い価額で売買した場合に、贈与があったとみなされます。例えば親から子へ、時価1億円の土地を4千万円で売買する契約を結び、実際に売買契約書も作成して金銭のやり取りもし、登記の名義も変更したとします。この場合、時価の1億円と4千万円との差額6千万円について親から子へ贈与があったものとみなして贈与税の課税がなされます。
また、以下のように取り扱われます。

イ.
個人に低額譲渡した者には原則として、その低額の対価による資産の譲渡があったものとして譲渡損益が計算され、損失が生じたときは他の所得と損益通算ができます。ただしその低額の程度が時価の1/2未満のときの譲渡損失はなかったものとして取り扱われます。
ロ.
個人が法人に対して贈与や低額譲渡(時価の1/2未満)をした場合には、時価による譲渡があったものとして、低額譲渡者に譲渡所得税が課税され、贈与を受けた法人には受贈益が課税(法人税の課税)がされます。
②生命保険金について

被保険者:父 保険料負担者:母 保険金受取人:子 といった保険契約があるとします。父が死亡した際に保険金は子に入りますが、この保険金は保険料を負担していた母から子へ「贈与」したとみなされて贈与税の課税の対象となります。父の死亡の際のみなし相続財産として相続税の課税対象となることはありません。

③信託財産について

財産を一定の第三者(受託者)に預け、運用や処分をしてもらうことを「信託」といいます。財産を預ける者を委託者といい、信託による利益や元本をもらう者を受益者といいます。このうち受益者が委託者自身でない場合には、受益者は委託者から贈与を受けたものとみなされます。

④定期金について

年金契約などに加入し一定の期間掛金を払い込むと、一定の年齢に達した場合など年金の給付事由が発生した場合には、年金の支給が受けられます。この場合に、掛金を払い込んでいたのが夫、年金の受給者が妻であるといったケースでは、夫から妻へ定期金受給権の贈与があったものとみなされます。

⑤債務免除について

債権者が債務者に債務の免除をした場合や、債務者に代わって第三者が債権者に債務を弁済した場合には、債権者あるいは第三者から債務者への贈与があったものとみなされます。ただし、債務者である子が資力を喪失し、扶養義務者である親がやむを得ず債務を引き受けた場合には、贈与税の課税は行われません。

3.贈与税の非課税財産

主な贈与税の非課税財産として下記のものがあります。

①法人からの贈与により取得した財産・・・所得税・住民税の課税となります。(一時所得など。)
②扶養義務者から生活費や教育費として贈与された財産で通常必要なもの
③一定の要件に該当する公共事業者が取得した公益事業用財産
④一定の特定公益信託から交付を受ける金品
⑤心身障害者扶養共済制度に基づく給付金の受給権
⑥公職選挙の候補者が贈与によって取得した財産
⑦特別障害者扶養信託契約に基づく信託受益権で6千万円までのもの
⑧相続開始の年に非相続人から贈与を受けた財産・・・相続税の課税となります。
⑨債務超過の場合の債務免除、債務の肩代わり、低額譲受け・・・債務者による弁済が困難である場合に限ります。
⑩香典、お祝金、見舞金などで社会通念上相当と認められるもの
⑪離婚に際しての財産分与で社会通念上相当と認められるもの

4.贈与税の計算

①贈与税は、その年の1月1日から12月31日までに贈与を受けた財産の合計額をもとに課税します。
②財産の合計額から基礎控除額110万円を控除します。
③控除後の残額に対し下記の税率を乗じ、一定の控除額を差し引いた額が贈与税の税額となります。

<贈与税の速算表>

基礎控除後の課税価格

税率

控除額

200万円以下

10%

  -

300万円以下

15%

10万円

400万円以下

20%

25万円

600万円以下

30%

65万円

1,000万円以下

40%

125万円

1,000万円超

50%

225万円

(例)贈与財産の価額の合計が500万円の場合

基礎控除後の課税価格 500万円-110万円=390万円
贈与税額の計算 390万円×20%-25万円= 53万円

5.贈与税の申告納付

贈与を受けた年の翌年2月15日から3月15日までの間に、110万円を超える贈与を受けた人は、贈与税の申告書を作成し税務署に申告・納付しなければなりません。

6.相続時精算課税制度

①制度の仕組み

生前に贈与をされた財産の合計2,500万円までについて贈与税を非課税とする代わりに、相続発生時にはその贈与財産と相続財産を合計した金額で相続税額を計算するという制度です。
この制度を利用すれば、2,500万円に達するまで何度でも贈与税が非課税となり、2,500万円を超えた場合には、超えた額に対して一律20%の贈与税率となるという扱いを受けることができます。ただし、

イ.
贈与者は贈与した年の1月1日現在で満65歳以上の親であること。
ロ.
受贈者は贈与を受けた年の1月1日現在で満20歳以上の推定相続人(法律の規定に従って相続人になり得る人のこと。)であること。
ハ.
贈与税の申告期限までに、税務署へ相続時精算課税制度を選択する旨の届出が必要であること。
二.
届出を出したら相続時まで従来の暦年課税制度は適用できない。
ホ.
将来の相続税課税時おいては、相続時の時価ではなく、当初の贈与時の時価で課税が行われる。

といった制限がつきます。また、父、母両方からこの制度の贈与を選択すると、5千万円までが非課税となります。

②住宅取得資金の贈与

平成22年12月末までの時限措置ですが、一定の住宅取得や増改築のための資金の贈与に限っては、非課税枠が1千万円増額され、最大3,500万円までが非課税となります。この場合の贈与に限っては、親の65歳という年齢の制限がありません。対象となる家屋の要件は下記のとおりです。

イ.
家屋の登記簿上の床面積が50㎡以上
ロ.
床面積の1/2以上が受贈者の居住用であること
ハ.
中古住宅の場合は築20年以内(耐火建築物の場合は25年以内)
二.
贈与を受けた年の翌年3月15日までに居住見込みであること(平成22年12月末までの贈与に限る。)

増改築の場合の要件は以下のとおりです。

イ.
増改築の工事費用が100万円以上で、居住用部分の工事費用が全体の工事費用の1/2以上であること。
ロ.
増改築後の面積が50㎡以上あること。


pagetop